あらかじめ、決めることを決める

第606号

2月26日、総理大臣官邸で
第14回新型コロナウイルス感染症
対策本部での安倍総理発言の抜粋
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202002/26corona.html

政府といたしましては、この1、2週間が
感染拡大防止に極めて重要であることを
踏まえ、また、多数の方が集まるような
全国的なスポーツ、文化イベント等については、
大規模な感染リスクがあることを勘案し、
今後2週間は、中止、延期又は規模縮小等の
対応を要請することといたします。
——————————————ここまで

振り返れば、
24日

新型コロナウイルス感染症対策
専門家会議が

「これから1、2週間が(感染が)
急速に進むか収束できるかの
瀬戸際となる」との見解を公表。

25日
新型コロナウイルス感染症対策の
基本方針が発表。

そして26日
冒頭に書いた、
全国的なスポーツ、文化イベント等
への一歩、踏み込んだメッセージ。

息つく暇なく
昨日、号外まで出たという

3月2日来週月曜日から

全国の小学校、中学校、高校
特別支援学校を臨時休校に
するよう要請を出した。
という安倍総理の発言。

受けとる側からすれば
唐突感があり、
受け身にならざるを
得ません。

自ら納得して行動
するためには、

どういう戦略なのか

どういうゴールが
待っているのか

イメージできるから
動けるのです。

1、2週間が重要だからこそ
丁寧な説明が必要でした。

1、2週間が過ぎたあと
どういうことを想定しているのか?

つぎのステップとして
どういう心づもりを
しているのか。

もちろん
考えているのでしょうが、

その戦略を示さず、
戦術だけ(しかも突然に)
言われ続けると

しょうがないと
思いつつも

長引けば、
人も組織も
疲弊してしまいます。

臨時休校となれば
会社としても、
子を持つ親の社員を
休ませるのか、
どうするのか

国は、
「引き続き、休みがとりやすく
なる環境を整えていただくとともに、
子どもを持つ保護者の方々への配慮を」

と、具体策は
示してはくれません。

判断するためには情報が
少なすぎますが
それでも、決めなければ
なりません。

【ご参考】
新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html

新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html

まずは、決めることを決める。
です。

具体的に
「こういうときはどうする」

という、以下のような
最低限の決め事も必要です。

・自分が感染したとき
・家族が感染したとき
・自分が感染のおそれがあるとき
・家族が感染のおそれがあるとき

感染のおそれがあるときでも
会社が指示して
自宅療養とするときの
判断基準はどうするのか?

そこまではなんとか、
想定できても

臨時休校という新たな
ケースが出てくると、

あらかじめ考えることの
限界も感じます。

想定できないことは
対応しながら、
決めていくしかありません。

その先にルールが
できていきます。

社労士失格と言われるかも
しれませんが、
私には、今回、
あらかじめ示せる
方策は見当たりません。

結局、お客様1社1社の
ケースごとに、
やりながら考えて、
対応を学んでいくしか
ありません。

評価シートを作っているときも
感じることですが、
他社事例は通用しません。

1社1社
「社員」が同じでは
ないからです。

そのうえに

たとえば、製造業であれば

3月決算の会社や、
そうでない会社

取引先(仕入れ先)が
国内か、国外か。

行程シフトの組み方や
内部留保も違うでしょう。

それでも、
あらかじめ
決めておかなければ
ならないことは

・会社として何を優先するのか。

・軸をどこに置くのか

・方針を決めておくことです。

そもそも社員それぞれの
価値観、家の事情など
誰一人、同じではありません。

そこを
「対話」を通じて
自分として受け入れられる
範囲の納得をしてもらって

会社として
まとまっていくしかない、
と、私は考えています。

方針が決まっていないと

それぞれが、
個人のレベルで考えて
自分の立場だけで
発言をしていきます。

人と人は違うのですから
それでは、まとまることは
あり得ません。

だからと言って
我慢したり
不公平感を
感じないためには

会社として決めた方向性に
納得してもらえるように
丁寧な「対話」しか
ありません。

対話とは

『 “お互い”が、お互いの
立場を理解したり、その意見の
背景にある価値観を考えながら、
意見を聴いたり、伝える
コミュニケーション』

あるいは

『お互いが違うことを前提にした
コミュニケーション』

とも言えますし

『伝えるよりも
聴くこと(聞き取ること)を
重視するのが対話』

とも、言えます。

簡単ではありませんが、
これなくして、
お互いの考えを
共有し合えることは
ありません。

その先に、
それぞれの最善策が
見えてきます。

そして、
難しいとか、面倒だと
敬遠しがちな
対話の場に関わることが
できるかどうかが、

私たち社外専門家の
存在価値なんだと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

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