数字で評価することを疑う

第186号

数字はうそをつかないといいますが、本当でしょうか。

プロでまだ1勝もあげていないルーキー
の投手が、侍ジャパンに追加招集されました。

どうして0勝のルーキーが選ばれたのでしょうか。

当初メンバー入りしていた東克樹投手
(横浜DeNAベイスターズ)が左ひじの
炎症のため出場辞退したことによる追加
招集なのですが、

なぜ、彼、福岡ソフトバンクホークスの
高橋礼投手なのかというと

もちろん力はあるのだけれど、
何より、アンダースローの投げ方が
国際大会では貴重な戦力になるのは
間違いない、という判断によるものです。

ここには、数字だけではない選出理由が
あります。

評価制度を作るとき、評価項目の
なかの『成果を見る項目』は、
数字で評価します—–定量評価

その他の項目は、—定性評価
できたか、できていないか等で決定します。

上司である人の評価項目には、
部下の成長点数という項目を作っています。

これは、部下指導の成果を
上司の評価項目に入れて認める
ためです。
部下の点数の伸びた点数によって
5段階評価するというものです。

でも、部下の点数が伸びたことに
上司として関わっていなくても
部下の点数が伸びていることがあります。

部下指導を評価に加えることで、
より部下指導に比重を置いてほしい
という、メッセージなのですが、
上司に関係なく点数が伸びる(成長する)
ことは、十分あり得ます。

よって、部下の伸びた点数から、
機械的に上司の評価点数を決定する
項目ではあるのですが、必ずどういう
支援をしたのか、確認する必要があります。

重要な行動を行動目標として評価項目に
設定しています。
これは、できている、やっているというのを
数字に置き換えて設定してはいません。

たとえば、『新規顧客を獲得するという
成果目標』に対して、

『見積書を出すという重要業務(行動目標)』
を設定するとします。

このとき、あらかじめ
月50牧、見積書を出す→“できている”

という管理の仕方をしていると、50枚出すこと
だけに、こだわってしまいます。

勿論、業種業態によって、
出さないよりは、枚数を多く出した
ほうが新規の獲得できる割合が高く
なるのであれば、枚数を追いかける
ことでよいのかもしれませんが、

通常は、枚数を多く出すことだけに
こだわっても、新規顧客の獲得に
近くなるわけではありません。

評価シートの行動目標、知識技術、
勤務態度の評価基準を数字にしていない
のは、やり方を工夫して再現性ある
やり方を身につけてもらうためです。

数字は評価するときの絶対
ではありません。

数字に置き換えることが、
出来不出来をあらわしているとは限らない、
ということを覚えておいてください。

お読みいただき、ありがとうございました。

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性を
デザインする鈴木早苗でした。

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