氷山の下にある問題を解決する組織づくり

第072号

【横浜市大病院医療事故】引き継ぎ不徹底、がん見落とす
2018.6.26 Yahooニュースより引用

60歳代の男性が、2012年10月心臓の治療を目的としたコンピューター断層撮影(CT)検査で、放射線科技師は、心臓が撮影された部分の画像のみを循環器内科の担当医に提供。
この画像に写った腎臓に陰影を発見し、「がんの疑いを排除することが望まれる」との内容の画像診断報告書を作成した。しかし、循環器内科の担当医が報告書の存在に気付かず、結果的にがんが見落とされた。

病院側は医師の間の情報の共有が不足
していたとして謝罪しました。
いわゆる命を預かる現場は、
こうしたことを防ぐためのあらゆる
リスクヘッジがされているものと思っていました。

この男性のほかに

悪性腫瘍が見落とされていた事案が、横浜市大付属市民総合医療センター(同市南区)も含め10件あったことが判明した。

ということから、起こった事象について
対処するだけでは焼け石に水のようです。

企業においても同様です。
目に見える問題だけをとらえて
対処していると、実は氷山モデルの
水面の下のように、目に見えない問題を
見逃していることがあります。

これまでは、お客様の苦情、商品の不良、
お客様の嗜好など、多岐には渡っていても、
ひとつひとつ解決していけばよかったのですが。

現代は氷山の下に隠れている問題としては
以下のものがあります。

すぐに問題が解決しない複雑さ
例-人材育成、新システムの導入・・・時間がかかる

社会的な複雑さ
例-正社員とパートタイマーの仕事の価値観の違い
・・・同一労働同一賃金はできるのか
残業を減らしたら売上も減ってしまった

予測不能な変更による複雑さ
例-AIの普及、異業種からの参入

今回の医療ミスは

本来の検査目的と異なる部位だったため、
循環器内科の担当医に直接伝えなかった。
というのが「できごと」です。

「パターン」は、画像診断報告書を
作成したが担当医師には伝えなかったこと。

「構造」は、担当医に情報が伝わらないこと。

「メンタルモデル」は、本来の検査目的と
異なる部位については伝える必要はない。
報告書に記しておけば、放射線科医師としての
役割は果たせている。

という考え方です。

このような事象は、このメンタルモデルを変えないと、
ミスはなくなりません。
組織改革レベルの取り組みが求められます。

医療の世界は異なる職種の
メディカルスタッフが連携・協働し、
それぞれの専門スキルを発揮しています。

その連携がなかなかうまくいっていない
ということなのでしょう。

厚生労働省を中心に
「チーム医療」という考え方が提唱されています。

チーム医療とは、「医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること」

チーム医療推進方策検討ワーキンググループの「チーム医療推進のための基本的な考え方と実践的事例集」より

是非、対話を重ねて
どうやったらうまくいくか、調整していって
この理念を実現すべく取り組んでほしいです。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

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鈴木早苗でした。

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