働き方改革を自社で成功させるカギ

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗です

第043号

安倍政権が今国会の最重要法案とする「働き方改革」関連法案は、
29日に衆議院の本会議で、自民、公明両党と日本維新の会などの
賛成多数で可決され、参院に送付される見込みです。
これによって、今国会成立の公算が大きくなってきました。

働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案の概要

一番ニュースで取り上げられているのは、
「高度プロフェッショナル制度」の創設です。

これって、どういう制度なのでしょうか?
対象:職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1,000万円以上)を
有する労働者

要件:高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合で
①年間104日の休日を確実に取得させること等の
健康確保措置を講じること
②本人の同意や委員会の決議等

適用除外事項:労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定
この適用除外事項が、過労死を増やすと野党が批判しています。
~2019年4月施行~

でも、現場にとっての大きな課題は、
この法案よりも、「時間外労働の上限規制」の導入でしょう。

時間外労働の上限(原則):月45時間、年360時間
臨時的な特別な事情がある場合の上限:年720時間
単月100時間未満 (休日労働含む)
複数月平均80時間(休日労働含む)
~2019年4月施行(中小企業は2020年4月)~

次の法案についても、よく質問をいただきます。
「一定日数の年次有給休暇の確実な取得 」です。

・使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、
5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないこととする

というものです。~2019年4月施行~

中小企業では、より身近な法案が気になります。
将来要件である、一定の年収(少なくとも1,000万円以上)が
引き下げられる可能性があるとはいえ、現時点で該当者がいない
法案は、自分ごとにはなりません。

そこで、労働時間の短縮と有給休暇の付与についてですが、

この両方を解決するには、小手先では難しいです。

長時間労働の削減の成果をようやく出した会社も、
有給休暇を増やすというのは、儲ける機会を減らすこと
と考えていることが多いものです。

よって、生産性を上げることは、儲けが減ることなんです、
とおっしゃる会社もあります。

働き方改革=長時間労働の是正、生産性向上
ということで、ルールづくりから入ろうとしますが、
それはちょっと待ってください。

これは働き方「改革」です。
改革と改善は違います。

改善:既存の仕組みの延長線上で行う工夫の積み重ね。改良。

改革:仕組み自体を作りなおすこと。新たなものを生み出す。

長時間労働の削減にしても、
有給休暇の取得を増やすにしても、
改善という、効率の追求だけでは、
真の成果は得られません。

チームビルディング(組織づくり)の私の先生である石見幸三さんは、

「改善というのは効率の追求」

「改革とは価値の追求」

「改善」とは、

使う資源をどれだけ少なくできるか?ということに尽きます。ここでは、時間や、仕事の習熟度を上げる教育、スピードなどです。

「改革」とは

個々の、自社の持っている資源、資産を新しく組み合わせる。あるいは、新しい組み合わせを試しながら、価値を見出していく。

と言っています。

ですから、

「今までこういうルールでやっていたよね。」
「こういうふうにやるとうまくいっていたよね。」

ということの延長線上で考えるのでなく、
逆に、どういう働き方をしたいのか、
どんなことを達成したいのか、という
目的ありきの仕事の仕方にあらためることです。

マインドセット(考え方の基本的な枠組み)>制度
の視点がないと失敗してしまいます。

大げさかもしれませんが、
働き方改革とは
個人で言えば、自分の生き方を決めること。
会社で言えば、経営の組織改革です。

成功のカギは、
・ビジョンからのスタート
・トップの約束事
・仕事の可視化
・ゴールの共有化  です。

ルールづくりは最後の仕上げです!

一番早い施行日の2019年4月までにはまだ時間はあります。
自社の働き方改革の行き先をしっかり決めることから始めたいですね。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

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